止揚

企業経営において、「利益追求」と「社会貢献」などの矛盾にしばしば直面することがある。企業が抱える矛盾を機械的な割り切りによって解消してしまうと、同時に生命力や原動力も消えて、発展が止まってしまう。世の中のすべての物事の進歩や発展は、単純に右上がりに一直線に進歩、発展するわけではなく、あたかも螺旋階段を登るようにして進歩、発展していく。現実は矛盾に満ち、複雑であり、曖昧な要素があまりにも多い。すべての物事には、その内部に「矛盾」が含まれているが、その矛盾こそが物事の発展の原動力となっていく。「止揚」とは、お互いに矛盾し、対立するかに見える2つのものに対して、いずれか一方を否定するのではなく、両者を肯定、包括、統合し、超越することによって、より高い次元のものへと昇華していくことである。物事の本質を洞察し、未来を予測するには、「分析思考」や「論理思考」だけでは有効ではなく、「哲学的思索」も必要であり、そのひとつが「止揚」である。